NPO法人おりがみ 理事長 都築 則彦
千葉大学大学院人文公共学府博士後期課程
専攻は地域社会学・ボランティア研究。
有限会社トウチク代表取締役
Earth Light Project実行委員会代表
全国学生ボランティアフォーラム代表
2019千葉大学学長表彰受賞
1994年千葉県生まれ。日本の中で「企画するボランティア」を当たり前にするために、26歳でNPO法人おりがみを設立。
きっかけは、2020年東京オリンピック・パラリンピック。同大会に向けた日本最大の学生団体「おりがみ」を2014年・大学1年生で設立。400名以上の学生メンバーと共に、聖火リレー期間に炎を成層圏で点灯・映像配信する「Earth Light Project」をはじめとした数々のプログラムをプロデュースし、その過程で日本のボランティア文化に問題意識を持つ。
他にも、千葉大学大学院博士後期課程でボランティアの研究に取り組み、実践面では高校生・大学生のコミュニティづくり、全国のボランティア団体のネットワーキングなどに従事。また、稼業の牛乳配達店の二代目社長に就任し、地域コミュニティを土台にしたビジネスモデルの再構築に取り組む。
▼受賞歴・メディア
・メディア出演回数250回以上(NHK、日本テレビ、TBS、テレビ朝日、テレビ東京、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞、J-WAVE、CNN、ほか)
・NHK for Schoolドキュメンタリー番組「SEEDなやみのタネ」の主人公として出演
・2018年に千葉市⼤学市⻑賞を受賞
・2020年に千葉大学学⻑表彰を受賞
・2021年に東京2020オリンピック聖⽕ランナーに選出 ほか
▼委員歴等
・「第16回世界⼥⼦ソフトボール選⼿権⼤会ボランティア専⾨部会」委員
・「⽇本財団学⽣ボランティアセンター中⻑期計画策定委員会 学⽣ボランティア活動⽀援に関する検討委員会」委員
・「令和2年度千葉県県民活動推進懇談会ボランティア参加促進分科会」委員 ほか
▼主要な論文等
・「戦略的アクションフィールド理論の成立過程とその概要: ボランティアの潜在的機能研究の可能性に寄せて」(『千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書』第361集、2021年)
・(共著)「学生が主体となって実施する 「全国学生ボランティアフォーラム」 の歩み: 学生による, 事業への 「参加」 から 「参画」 まで」(『社会教育』77(10)、2022年)
・「2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアの構造と動態」(『千葉大学大学院人文公共学府研究プロジェクト報告書』第378集、2023年)
・(共著)「The Idea of “Convivial Society” Embodied in the Flame that Lit in the Stratosphere」(74th INTERNATIONAL ASTRONAUTICAL CONGRESS、2023年)
・「若者の地方移動とバーチャルなつながりに関する一考察」(『地域社会学会ジャーナル (15) 』 2024年)
誰もが参加できる社会に向けて
僕はボランティアに良いイメージを持っていませんでした。
マニュアル通りの単純作業を、機械的に繰り返すイメージが強かったからです。
しかし、学生団体おりがみで、“オリンピック・パラリンピックをがくせいみんなで盛り上げる”ことを目指した僕らの手段は、まさにボランティアでした。
あのあまりにも大きなイベントに近づくには、お金ではなくそれぞれの意志で進んでいくしかなかったのです。
入り口が広いからこそ、「続ける理由」も人それぞれ。その多様な人々をチームで動かすのは、予想以上に困難だらけでした。
葛藤して突き進んで、ときには空回りしてぶつかって。
僕がボランティアを通して知ったのは、人間が面倒臭い生き物であることでした。
だからこそ、みんなが共感できるビジョンを議論して、タスクではなく魅力的なプロジェクトとして立ち上げてきました。
参加者それぞれが納得できる、社会を変えうるストーリーを紡いできました。
ではなぜ、お金や組織という合理的な手段ではなく、ボランティアをするのか。
ボランティアには意志があり、人間の感情があるからです。
一筋縄ではいかないことばかりだけど、ひとりひとりの想いが重なり夢が叶ったときの感動は、何にも変えがたいものです。
互いの意志を胸に抱き、正面から向き合って築いた絆や夢。
これこそ、人生の豊かさに繋がると信じています。
僕たちが実現したい世界は、ボランティアを通して多くの人生が豊かになる世界です。
そこにあるのは、たったひとつの答えに向けて歩く一本道ではありません。
人間の数だけ歩き方の答えがある、どこまでも広がる大きな世界です。
NPO法人おりがみ 理事長 都築則彦