おにわ – 緒庭 – プロジェクト

プロジェクト概要

 知的障害のある人の姿は、「ありのままでいること」の輝きを教えてくれる。出張駄菓子屋やパラスポーツ体験会などの活動から、知的障害のある人を起点に、「支えられる側」になりがちな人が、誰かを「支える側」として輝ける場を実現する。その中で、みんなで支え合い、ありのままに輝けるコミュニティ「おにわ-緒庭-」を生み出していくプロジェクト。

なぜやるのか

 私たちの課題意識は、「孤独」にあります。 社会には、「普通」になりたくてもなれず、人との違いに独り思い悩む人が多くいます。そこには、自分の苦しさを「生きづらさ」として認めてもらうためには、「説明能力」がないといけないという根底があるのではないでしょうか。障害、性別、国籍、年齢、趣味嗜好、様々な違いに悩みながらも、うまく言葉にできずに抱え込み、自殺・孤独死に至るまで見逃される人がいます。

 生きづらい。その苦しみを胸に生きた先に、自由で明るい未来は果たしてあるのか。この課題を温かく包み込む力が、知的障害のある人たちのつながりにはあると思います。彼らは、得意不得意に縛られず嫌いなものはやらない。代わりに好きなことならどんなに苦手でも自分なりに楽しむ。そしてそんな自由な仲間を支え合い、認め合うつながりでした。

 その姿はまさに、自由に生きることを忘れた人々に「未完成でいい。ありのままに生きろ。」と訴えているようでした。彼らの「ありのままでいること」の輝きは、誰かの評価に囚われず、自分の人生を安心して生きていいという意味が灯されていました。

 知的障害のある人が起点となって、障害のある人や子ども、高齢者や学生など、誰もが自分の個性、経験、想いを胸にありのままに生き、関わる相手に「ありのままに生きよう!」と寄り添う社会。喜びや感動は共有し、悲しみや苦しみは共感して一緒に声をあげられる社会。その架け橋に、私たち「おにわ-緒庭-プロジェクト」はなりたいです。

現在の活動内容

駄菓子屋ITSUMOの休日

 将来幕張に展開するために、千葉都賀地域にある先行事例、生活介護事業所「ITSUMO」が展開している「駄菓子屋ITSUMO」を偶数週の土曜日に借りて、学生たちが駄菓子屋を運営しています。

 売る中で、子ども・若者や保護者の方、お年寄り、車椅子ユーザーなど、地域の多様な方々と対話を重ね、時に交流を深め、様々な地域の課題や魅力を味わっています。

出張!だがしのおにわ

 地域のスポーツ大会や児童養護施設などから依頼を受けて、学生メンバーや障害のあるメンバーがイチオシ駄菓子を選定して、出張駄菓子屋を開催しています。

 駄菓子屋はこれまで、子どもでもお小遣いの範囲で食べたいお菓子を取捨選択して買うことができる、社会教育の場でした。町から姿を消した駄菓子屋に、「もう一度行きたい」と思う人たちに届けています。