プロジェクト概要
きっかけは、半世紀前に失われた上野の盆踊り大会の復活。上野全域で祭りを軸に非日常の「ハレ」の日を散りばめていくことで、地域で生じる様々な問題の根本にあった、文化圏の衝突の問題の解決を目指す。
2020東京大会開催時の東京都公認文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVAL」認定事業に採択。2021年までに参加者累計16,000人を記録。東京都美術館「和様の書展・クセ字コンテスト」の展示企画や、新型コロナウイルス感染拡大の影響で打撃を受けた商店街の支援企画も進行中。
文化圏の対立を越える「祭」の復活
現代の日本は、多様な人で溢れていますが、実はそこかしこで対立が起きています。そして、対立から目をそらしてしまいがちです。
上野も例外ではありません。神社仏閣や美術館など、ハイカルチャーを持った「山」。アメ横など、商店街の下町文化が特徴である「街」。二つの文化圏が対立してきました。
近隣に住みながら対立する彼らとともに、“祭り”を創る。上野に限定されず、性別や年代、人種や国籍という壁で遮られない人々をも巻き込んでいく。多様な人々が、この上野の“祭り”という非日常の「ハレ」の空間で、共に踊り、笑い、創る。
そんな多文化共生の空間を作り上げることを、本プロジェクトは目指しています。
2019年の「半世紀失われた盆踊り大会の復活」をスタート地点として、二つの文化をつなげ、新たな関係を築き上げます。
違いを乗り越え、二つの文化圏が結びついた先には、新たな上野の魅力があるはずです。
若者と住民を混ぜる
失われた伝統行事を、若者の手で復活させたい。
そんな想いが込められたこの企画には、多くの若者が集いました。
活動は盆踊り大会の復活だけにとどまらず、縁日や日本文化体験、障がい者スポーツ体験ブースの設置など、様々な企画が行われました。本プロジェクトに集まった若者の、各々の強みを活かせる機会を作ることも、この企画の目的の一つです。
そして、若者の活躍のその先で、世代や国籍など様々な壁を越えて、地元住民とよそ者の入り乱れた“祭り”の完成を目指しています。
「ハレ」の日を創る
私たちの創る「ハレ」の日は、この“祭り”に留まりません。そして、「ハレ」の基本にある「ケ」も大事にしていきます。
「ハレ」とは日本の伝統的な世界観を表す、非日常を意味する言葉です。そして、私たちの目指す上野の二つの文化圏の融合やそれを超えた多様な人々の共存は、日常生活であり続けることは難しいし無理にそうする必要はないと思っています。それは、日常である「ケ」の世界で、各々の文化を育て洗練させていくことに価値があるし、「ケ」があってこそ「ハレ」の日がより魅力的に映えていくことになるからです。
そのために、上野の「山」と「街」それぞれの「ケ」を支えつつ、特別な「ハレ」の日を上野全域に散りばめていきたいと思っています。違いがあって、普段混じり合わないそれらが融合する。そこに、何ものにも代え難い感動があるのではないでしょうか。
私たちは、そんな上野の「ハレ」の日を創っていきます。
これまでの歩み
本プロジェクトは、地域の方々の力をお借りしながら、これまでにも様々な上野の「ハレ」の日を届けてきました。
春には「うえの桜フェスタ」や「上野アートウォーク・桜尽くし」、夏には「うえの夏まつり」とそのパレード、「湯島ちびっ子広場」といった夏祭りに、秋には「Tokyo 江戸ウィーク 秋祭り」や「シタマチ.ハロウィン」、冬には「ジュエリーフェスタ」。
年間を通してさまざまなお手伝いや活動を行いつつ、主催したイベントの詳細は以下の通りになります。
2019年 盆踊り大会の復活
コンセプト | 『不忍夢(しのばずのゆめ)』 |
場所 | 上野公園 不忍池 |
内容 | 若者の手により、半世紀もの間失われていた盆踊り大会が復活。 周囲では合わせて8つの企画が展開。 |
来場者数 | 3日間で約1万人 |
出演者 | 若手アーティストやパフォーマー、計13組 |
2020年 私たちの夏を蘇らせる
企画名 | オンライン夏まつり~不忍夢~ |
コンセプト | 『私たちの“夏”を、蘇らせる。』 |
場所 | オンライン開催 |
日時 | 2020年8月29・30日 |
内容 | 新型コロナウイルス感染症拡大により、私たちは、あるはずの夏を失いました。 希望や楽しみが奪われてしまった世の中で、自分たちに何ができるかを考え、 オンラインでの夏まつりを開催しました。 当日は、オンラインでのライブパフォーマンス、花火メッセージムービー、 盆踊りといった、挑戦的な試みを学生で実施。 コロナ禍での夏、学生主催の最大規模のイベントとなりました。 |
来場者数 | 約600名 |
出演者 | 若手パフォーマー計4組 |
企画名 | モザイクアート企画 |
コンセプト | 『コロナで創る夏まつり』 |
場所 | オンライン開催 |
日時 | 制作期間:2020年7・8月展示期間:2020年9月7日~30 日 |
内容 | 2020年、私達はあるはずの”夏”を失いました。 そんな中で、コロナ禍のたくさんの写真を用いて、 希望を表す1枚の作品を作りたい、と本企画が始動。 コロナ禍の写真や絵などの画像をSNS上で2020+1枚集め、 モザイクアートを作成しました。 完成した作品と特別ムービーは、上野マルイにて期間限定で展示されました。 |
企画名 | オンライン学園祭 |
コンセプト | 『青春の宝庫、学園祭のステージを取り戻せ!』 |
場所 | オンライン開催 |
日時 | 2020年9月26・27日 |
内容 | 新型コロナウイルスの影響により全国で中止になってしまった、学園祭。 学生にとって、一年で唯一活躍できる場が失われたと言っても過言ではありません。 学園祭のステージをYouTube上で再生させ、燻っている若手パフォーマーとともに、 青春特有の熱を全国の学生・若者に届けたい。 そんな思いから、オンラインライブの他、AR花火など5つの特別企画を実施しました。 |
来場者数 | 約1200名 |
出演者 | 若手パフォーマー計17組 |
2021年 日本の夏祭りで、世界が繋がる
企画名 | BON FES TOKYO 2021 〜うえの不忍夢祭り |
コンセプト | 『日本の夏祭りで、世界が繋がる。』 |
場所 | オンライン開催 |
特徴 | 盆踊り、ライブパフォーマンス、創作浴衣コンテストなど、”夏”を感じられる9つの企画を実施。東京都公認の文化プログラム「Tokyo Tokyo FESTIVAL」に採択。 |
来場者数 | YouTube Liveにて、リアルタイムで総視聴回数が1000回超え |
出演者 | ライブパフォーマンスにて、若手パフォーマー計9組が出演。創作浴衣コンテストでは、計8名の若手モデルが出演。 |
今後の展望
上野ハレノヒ計画は、その範囲を拡大し続けていきます。
現在は“祭り”という枠を超え、江戸時代から続く商店街、上野中通商店街をコロナ禍から復活させるための施策を提案しています。
また、東京都美術館での「和様の書展・クセ字コンテスト」にも参画し、新たな書の文化の発展に携わっています。
このようにして、「山」と「街」をそれぞれ盛り上げつつ、二つの文化圏を融合する「ハレ」の日を沢山仕掛けていきます。そうして、新たな上野の魅力が発見・創出されるのではないのでしょうか。
これからも上野ハレノヒ計画は邁進していきます。
これからの「仲間」を募集中!
上野ハレノヒ計画に加わってくれる仲間を募集しています。
上野が好きな人
活躍の場が欲しい人
祭りが好きな人
地域活性化に興味がある人
企画運営やコンサルティングに興味がある人
知識や経験がない方でも気軽に参加できます。
興味がある方は、お気軽にご連絡ください。