長期入院中の子どもたちに「さらなる社会とのつながり」をデジタル技術で実現する、新しい院内交流モデルの第一歩

お知らせ・活動報告

―都立病院様、シスコシステムズ様、レノボ・ジャパン様と学生が連携し、IT活用型交流企画(きぼうのたねプロジェクト)を初開催―

NPO法人おりがみ(所在地:千葉県習志野市津田沼七丁目11番10号、理事長:都築則彦)は、都立病院様およびシスコシステムズ合同会社様、レノボ・ジャパン合同会社様のご協力のもと、2026年3月20日、長期入院中の子どもたちを対象としたIT活用型院内交流企画を実施しました。タブレット端末・スマートグラス・オンライン会議システムなどのデジタル技術を通じ、病院内にいながら社会とつながることのできる交流の場を創出。医療現場・学生・企業が一体となって取り組む、新たな院内交流の実証例となることができました。

長期入院の子どもたちが直面する「つながりの断絶」

小児がんや重症疾患により長期入院を余儀なくされている子どもたちは、感染リスクや体力面の制約から、外出や対面交流の機会が著しく限られています。治療期間中は学校生活や友人関係から切り離されやすく、「体調が比較的安定している時期でさえ、社会と接点を持ちにくい」という現実があります。

小児がん患者の多くは治療を終えた後、学校や社会へ復帰していきます。だからこそ、入院中であっても社会との接点やコミュニケーションの機会を絶やさないことが、生活の質(QOL)の向上や、スムーズな社会復帰につながると私たちは考えています。また、面会制限によって兄弟や家族との時間も制限されるなか、同じ境遇にある仲間と出会い、気持ちを分かち合える場の少なさも、長期入院家庭が抱える大きな課題のひとつです。

院内にいながら、社会と「生きた交流」ができる場をつくる

今回の企画では、デジタル技術を活用しながら、病院内でも安心・安全に参加できる交流を試みました。

当日は、学生ボランティアや協力企業の社員が子どもたちとオンラインでつながり、普段の入院生活では味わいにくい「非日常の体験」を届けることができました。交流を重ねることで「次の会が楽しみだから、治療も頑張れる」と感じてもらえるような、心理的な支えにもなることを目指しています。

本企画は単発のイベントにとどまらず、病院・学生・企業がそれぞれの強みを持ち寄りながら、医療現場における新たな交流のかたちを共に探っていく継続的な取り組みです。

「想いへの共感」が、多様なパートナーをつなぐ

本プロジェクトは、シスコシステムズ様およびレノボ・ジャパン様にご協力いただいております。機材の提供や企画運営へのサポートをはじめ、社員ボランティアとしての直接参加など、多方面でお力添えをいただいております。

本プロジェクトが多くの企業・団体・学生の参加につながっているのは、「長期入院中の子どもたちに、社会とのつながりを届けたい」という私たちの想いに共感いただけているからだと感じています。学生が主体となって動きながら、NPO・病院・企業という異なる立場が対等に連携することで、医療現場に新たな価値を生み出すことが可能と信じています。

今後の展望——全国の子どもたちへ、孤立しない社会を

初回の実施を通じて、運営の流れや機材の活用方法、コミュニケーションなど、多くの改善点も見えてきました。今後はこれらを改善しながら、より多くの子どもたちが安心して活発に参加できる交流ができるように努めてまいります。

さらに、オンライン技術を活かすことで、地域の壁を越えて全国の入院中の子どもたちが参加できる仕組みづくりも視野に入れています。これにより各地域に散らばっている同じ悩みを持った仲間が全国にできます。それにより子どもたちが大変な治療を乗り越えられる原動力ができると信じております。将来的には、子どもたちが「ひとりじゃない」と感じられるように、医療機関・企業・支援団体との連携をさらに広げ「長期入院中でも孤立しない社会」の実現に向けて、着実に歩みを進めてまいります。

代表者コメント

きぼうのたねは、学生だからこそできる関わり方を大切にしながら活動していきたいと考えています。
年齢が近いからこそ生まれる距離感や、自然に一緒に笑い合える空気感を大事にし、子どもたちにとって「楽しかった」「また会いたい」と思ってもらえる存在を目指していきます。
また、学生の自由な発想や行動力を活かしながら、メンバー同士でも支え合い、より温かく親しみやすい活動を作っていきたいです。
今後の想いとして、「きぼうのたね」という名前のように、自分たちが届けた小さな“希望の種”が、いつか子どもたちの中で育ち、その子たちがまた誰かのために新しい種をまいてくれたら嬉しいです。
支援を受ける側・する側で終わるのではなく、優しさや希望が人から人へ繋がっていく、そんな存在になれるような活動を目指しています。
(きぼうのたねプロジェクトリーダー 堀田郁海)

NPO法人おりがみについて

NPO法人おりがみは、904名の若者ボランティアネットワークを生かし、日本のボランティア文化の魅力を最大化することを目指して活動する法人です。

中でも福祉分野においては、「病気や障害、生きづらさの有無に関わらず、誰もが自分らしく過ごせる社会の実現」を目指し、子どもや若者を対象とした交流支援・居場所づくり・地域連携活動を行っています。医療・福祉・教育・企業など多様な領域・立場を越えて、当事者の視点を大切にした実践型のプロジェクトを展開しています。

問い合わせ先

NPO法人おりがみ
所在地:千葉県習志野市津田沼七丁目11番10号
Email:info-kibou-no-tane〔アットマーク〕origami-vol.or.jp
担当:杉浦太一